「子どもを伸ばす愛情教育」より

●幼児の知能を知能指数として示すことは、ほとんど意味がない。
年齢が低いほど、指数は過剰に表現される危険性がある。
幼児の知能全体を知能検査で測定するには、限界がある。

●知能指数が高くなるということを売り物にしている幼児教室や教材は、要注意。

早期教育の目的は、すべての子どもに将来どのような課題にも対応できるような総合的な基礎能力(とくにブレイン・パワ-)を開発することであり、「天才」を作ることではありません。

● ほめられると、子どもは自分に自信を持てるようになる
● 子どもをしっかり見つめて、ほめてあげることが大切
● ほめることは、親の子育ても楽しいものにする
● 親も子どもと一緒に体験することで、子どものすばらしさを発見できる

● 子どもと一緒に、親自身も学ぶことを楽しむ
● 子どもは、学んでいる親の姿のまねをしながら、学んでいく
● 人生は、日々の新たな学習の連続である

「知能開発を始める時期について、早すぎるということはないでしょう。また、わが子を天才にしようと思うのでなければ、遅すぎるということもないでしょう。ただ、ちょうどよい学習環境を与えてあげることができるのであれば、それは早ければ早いほど効果的でしょう。」

● 幼児の知能開発に、早すぎるということはない。
● 幼児の知能開発に、遅すぎるということはない。
● できるなら早く始める方が効果的といえる。

● 子どもの無限の能力を信じて、親が愛情を持って知能開発を始める
● 子どもが楽しく学習できるように、配慮する
子どもが機嫌のよい時に、楽しい雰囲気で
できることより少し難しい課題に取り組ませ、常に新しい刺激を与える
好きなことをどんどんやらせる
学習はテンポよくスピーディに 子どもがいやがる前に早めに学習を切り上げる

● 子どもを暖かく見守り、成果をほめてあげる うまくできなかった時にも、子どもの努力をほめてはげましてあげる
テストは子どものよい点を客観的に評価するためのもの

● 知能開発を行うには、どんな内容をいつ学習するか、大まかに学習計画をたてることが必要
● 学習計画は、言語・数量・図形・記憶・常識・巧ち性の6つの領域ごとに、就学前までに学習する内容を年齢別に分け、 どんな教材・教具を使った学習活動をするか具体的に

●生活の中で、子どもが新しいことに目を向ける機会を意識してたくさん作る
●親も一緒になって、実際に体験しながら好奇心をのばすような働きかけをする

●育児記録をつけましょう
子どもの成長の様子を具体的に記録する(心身の発達、学習内容など)
自分が書きたい形式で、定期的に記録をする
●育児記録をつけると、子どもの成長する姿がはっきり見えて、子育てが楽しくなる
●育児記録をもとに、学習計画を見直す
系統的な学習の進行状況をチェック
生活の中での体験学習を、系統的な学習とあわせてトータルにとらえる

体系化されたよいワークブック」 幼児期に必要な学習内容がすべて盛り込まれた総合的なワークブック 繰り返し学習のシステムが学習カリキュラムに取り入れられているもの 解説ページが充実しているもの

「よい幼児教室」

●知能開発を中心にしたところ
●家庭での学習を重視していて、親への授業連絡があるところ
●入会前に、体験授業や教室見学のあるところ
●子どもたちが楽しそうにいきいきと学んでいる教室

通信教育教材を選ぶ時の注意

●価格の高いものは、その一部を購入してみて、子どもにあう教材かどうか実際に確認する。 (一部の購入ができないものは、さける)
セットの中に必要でない教材がないか、確かめる
●価格の安いものは、学習の内容や繰り返し学習のための学習量が十分であるか検討する。
●子どもの能力のレベルや進度にあわせて教材が送られてくるものを選ぶ。
(その時期の同年齢の子どもにはすべて同じ教材を送るシステムは、よくない)

●市販のワークブックは、あくまで特定の目的のために補助的に使うべきである。
(系統的な学習をすすめるのには、適さない)

●入試を受ける場合、入試問題に慣れるために入試用問題集を使うのもよい。
●運筆練習には、「線がき」「数字のなぞり書き」「ひらがなのなぞり書き」用のワークブックを順に使うのもよい。

●子どもにとって安全なおもちゃを選ぶ
2才未満の幼い子どものおもちゃは、「STマーク」を参考にして選ぶ
●子どもが楽しめるおもちゃを選ぶ
子どもが今身につけようとしている能力を使って遊ぶおもちゃ(子どもの発達段階にあったおもちゃ)は、楽しみながら能力開発ができる。
●いろいろな遊び方ができるおもちゃは、長い間子どもが楽しめる。

絵本の力

1.子どもの言語能力を発達させる
2.抽象的なことばから具体的にイメージする想像力をのばす
3.子どもの体験を広げ、判断力を培う
●絵本は、楽しむためのもの。絵本を楽しむことによって、絵本の力が発揮される。

●一冊の絵本と深くかかわりを持つことが大切
●親も一緒に絵本を楽しむ
●親子がゆっくりすごせる時間に、絵本の読み聞かせを毎日続ける
●読み聞かせをする時は、親子が同じ方向から
子どものペースでページをめくる
子どもの反応を大切にする

<6ヶ月~2才>

●乳幼児向きのわかりやすい絵や写真を使った絵本
「家の中のもの」「ようふく」「おもちゃ」「たべもの」「どうぶつ」「のりもの」など

<1才~2才>
●簡単な場面展開がある
●身近なできごとや遊びがテーマ
●ことばがリズミカル、繰り返しがある
「いない いない ばあ」松谷みよこ/瀬川康夫・絵(童心社)
「あかちゃんとあそぶ絵本」角田 巌/角田昭子・絵(文化出版局)
「あかちゃんのほん(第1集)」まついのりこ(偕成社)など
「おふろでちゃぷちゃぷ」松谷みよこ/岩崎ちひろ・絵(童心社)など

<2才~6才>
●ストーリーに繰り返しのあるもの
●生活の中の身近なできごとがテーマ
●動物や乗り物がでてくるもの
「たろうのおでかけ」村山桂子/堀内誠一・絵(福音館書店)
「はらぺこあおむし」エリック・カール/もりひさし・訳(偕成社)
「てぶくろ」うちだりさこ・訳/ラチョフ・絵(福音館書店)
「おおきなかぶ」うちだりさこ・再話/佐藤忠良・絵(福音館書店)
「3びきのくま」トルストイ/バスネツォフ・絵(福音館書店)
「ぼくじてんしゃにのれるんだ」渡辺茂男/大友康夫・絵(あかね書房)
「はじめてのおつかい」筒井順子/林明子・絵(福音館書店)
「ぐりとぐら」なかがわりえこ/おおむらゆりこ・絵(福音館書店)
「だるまちゃんとかみなりちゃん」加古里子(福音館書店)
「とこちゃんはどこ」加古里子(福音館書店)
「しゅっぱつしんこう」山本忠敬(福音館書店)
「ざっくりぶうぶうがたがたごろろ」神部淳吉/エム ナマエ・絵(偕成社)
「わたしとあそんで」マリー・ホール・エッツ/よだじゅんきち・訳(福音館書店)
など

<4才~6才>
●非現実的な空想の世界の物語
●心情的な物語
「おたまじゃくしの101ちゃん」加古里子(偕成社)
「11ぴきのねことぶた」馬場のぼる(こぐま社)
「ずーっと ずっと だいすきだよ」ハンス・ウィルヘルム/久山太市・訳(評論社)
「こぎつねコンとこだぬきポン」松野正子/二俣英五郎・絵(童心社)
「ちいさいおうち」バートン/石井桃子・訳(岩波書店)
「ふたりはともだち」アーノルド・ローベル/三木卓・訳(文化出版局)
「てぶくろをかいに」新見南吉/若山憲・絵(ポプラ社)
昔話「ももたろう」「うらしまたろう」「さるかに合戦」「かさじぞう」
「はなさかじいさん」「おむすびころりん」
童話「シンデレラ」「ジャックとまめのき」「赤ずきん」など

よい絵本を選ぶコツ

●図書館などを利用して、多くの絵本に出会って選択眼を養う
●複数のブックリストに出ている絵本を選ぶ
●子どもの生の声が出ている絵本ガイドを参考にする
●「○○推薦」「○○選定」などのタイトルがついている絵本を選ぶ
●初版年から二十年以上たっている「ロングセラー」を選ぶ
●昔話や名作童話は、お話1つで1冊の絵本になっているものを選ぶ
●実際に、絵本全体(または書き出し1~2ページ)を読んでみる
●文を読まずに絵だけを見て、全体のストーリーがわかる絵本を選ぶ
●気に入った作者・画家の別の絵本を選ぶ

図鑑・事典

●小学生以上を対象とした動物・植物・昆虫・魚介の図鑑を揃える。
●子ども用の百科事典的なものや小学校低学年の生活科事典などもあるとよい。
●図鑑や事典は、子どもが取り出しやすいところにおいておく。
●親が一緒になって、図鑑や事典で調べる機会を多く作る。